税金を減らすために経費を使う、の誤り
期末が来た。
利益が出ている!
まずい!
経費を使わなきゃ!
・・・という発想で節税は、絶対おすすめしません。
なぜ、こういう発想で節税をしたらダメかというと、手元にお金が残らないからです。
300,000円の税金を減らすためには、1,000,000円お金を使わないといけません。
こんなことしていたら、減らす税金以上にお金を使ってしまっているのですから、いつまで経ってもお金が貯まるわけがありません。
なんでこんなことが起きるのか、というと、根本的には、目的と手段が入れ替わってしまっているからなんですね。
本来は、経費を使うと税金が減る、と考えて行動しないといけません。
ところが、これが、節税のために経費を使う、と逆向きになってしまうから、おかしなことになってしまうのです。
両方一緒じゃないか!と思うかもしれませんが、これが大違い。
「経費を使うと税金が減るんだ」というふうに考えてみると、経費の使い方が全然変わってきます。
経費を使うと30%税金が減る
例えば、パソコンを買うか悩んでいるとしましょう。
金額は200,000円。
購入した瞬間、全額経費になるものだとしましょう。
仮に、この200,000円のパソコンを購入すると、税率30%の場合、税金は60,000円(=200,000円×30%)安くなります。
つまり、パソコンを会社の経費で買うと、本来は200,000円のものが、実質的に140,000円で購入できる、ということになります。
結局、実質30%引きでパソコンを購入できる、ということです。
このように考えると、このパソコンを購入すべきか?という意思決定は、簡単ですね。
- このパソコンが30%引きで買えるのであれば欲しい!というのであればこのパソコンを購入すべき。
- 逆に、30%引きされても要らないのであれば、このパソコンを購入しないほうがいい。
ということです。
今は、たまたまパソコンを例に挙げて説明しましたが、他の物でも考え方は、全て一緒です。
会社の経費として、物を買えば、全品、値札から30%のディスカウントが効くのです。
確かにいったん、100%お金は出ていきますが、後で、国が(税金を減らすことを通じて)30%キャッシュバックしてくれますので、差引70%の負担で物が買えてしまうわけです。
ですから、経費で物を買うべきか?を考える場合は、「表示価格の30%引きであれば購入したいかどうか?」を基準に意思決定をすれば、大きく間違えることはないと思います。
20万円のものを経費で買うべきかどうか悩んだ場合は、「仮に、その物が30%引きの14万円で購入できるとしたら欲しいか?」と考えて意思決定をすればいいわけです。
もし、30%引きでも買いたくない、というのであれば、それは経費で買うべきではないもの、ということです。
それよりは、30%引きにはなりませんが、本当に自分が欲しいものを定価で買ったほうがいいのではないでしょうか?
よくバーゲンに行っては「そんな物明らかに必要ないでしょ?」という物を買ってしまう人の話を聞きます。
なんで買ったの?って聞くと、
「だって安かったから!」と答える・・・。
こういう人を見たら、あなたはどう思いますか?
いくら安いからって、必要ないもの買ってどうするの!?って思いますよね。
今度は、場面を変えて。
税金を減らすために、一生懸命、使う必要のない経費を使っている人にも同じように、
「なんで、単なる30%ディスカウントセールなのに、必要ない物まで買っちゃうの?」と聞くと、
「だって、節税になるから!」と答える・・・
こういう人を見たら、あなたはどう思いますか?
私には、バーゲンで無駄遣いしている人と同じにしか見えません。